この記事でまとめるのは、2021年5月配信のPassion for TechnologyのSiC and GaN: Technology trends in manufacturing wide-bandgap semiconductors。
SiCとGaN(ワイドバンドギャップ半導体)の製造の側面から技術トレンドを読み取るというもの。
ゲストはお互い競合しているはずのSTマイクロとマイクロチップのドクターのお二方ですが、どういうわけかSTマイクロのおじさんがほとんどしゃべっていて、マイクロチップの方は終始押され気味。ヨーロッパのおじさまってよく喋るなぁと改めて実感。
振り返れば特に真新しい内容は無かったのかもしれないけど、ウェハサイズやウェハメーカをどう取り込むかが大事なのかな、と思わせられました。昨今の電池材料のように囲い込みが起きているのかも。
■ゲスト
Filippo Di Giovanni (ST Microelectronics)
Dr Kevin Speer (Microchip)
■市場規模について
ワイドバンドギャップ半導体の現在の世界需要は6億USD(840億円/$=140円換算)で、2025年までに3倍になる見通し。
ボトルネックはウェハの供給であったが、供給元戦略的供給契約を結ぶことで解決しつつある。STマイクロはSiCウェハメーカであるスウェーデン企業(Norstel)を子会社化することで垂直統合している。※
SiCは以前は欠点があったが改善しつつあり、過去にとても忌避していた得意先ですら進歩しているSiCの優位性を歓迎し、検討に傾いている。
設計における課題は、スイッチングの高周波に伴う、オーバーシュート電圧やノイズなどがある。周辺部品のインダクタなどの最適化も必要になっている。
※2019年に1億3800万USD(193億円程度/$=140円換算)で買収とのこと。
STマイクロエレクトロニクス、SiCウェハ・メーカーであるNorstel ABの買収を完了
スウェーデンのシリコン・カーバイド(SiC)ウェハ・メーカーであるNorstel AB(以下Norstel社)の買収が完了したことを発表しました。
■STマイクロのアピールタイム
□SiC
20年以上前からSiCモジュールの開発に取り組んできて、CNRというイタリアの国家研究機関と強力なタッグも組んできた。
当初ウェハサイズ3-4インチから取り組み、これまでにたくさんのIP(知的財産)と特許を出しており、これがSTマイクロがこの領域においてトップである所以。
今や、全てのサプライヤが4-6インチの範囲にあるのに対して、STは内製で既に8インチの製造を始めている。
□GaN
一般的に6インチのウェハサイズだが、STマイクロは最初から8インチに取り組んでいる。
サブストレート製造元に依存しており、品質向上と拡大(Enlargement)待たなければいけない立場。
■補足
〇ワイドバンドギャップ半導体とは?
下のリンクを参照すると分かりやすかったです。
ワイドバンドギャップ半導体とは | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 日本 (semicon-storage.com)
〇基礎知識はこちらで
化合物半導体 SiC、GaNとは |サンケン電気 (sanken-ele.co.jp)
■Podcast情報